今年の 1月下旬、フェアトレードつながりで、アフガニスタン大使館主催のレセプションに参加させていただく機会がありました。
このレセプションに集まったアフガニスタン人女性は、女性の権利向上や女性起業等に関わる人たちで、普段は現地に住んでおられます。

この頃は、アフガニスタンでテロが激しさを増し、連日ネガティブな報道がひきりなしにされていたこともあり、
「彼女たちは、どれだけ辛いことを語るのだろう…」
そんな風に思っていました。


ところが、彼女たちは悲壮の表情すら見せず、むしろ笑顔で自分たちの起業内容に加えて、お化粧やファッション、どんな家に住んでいて何に興味があるのかなど、生活の一部を見せてくれました。

スマホに映し出される彼女たちの生活のカラフルさと美しさに、驚きを隠せませんでした。
私にとってアフガニスタンとは、テロが毎日起こっていて、砂埃と炎と瓦礫のイメージしかなかったからです。
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まだ雪の残る日のアフガニスタン大使館(建物右側)

「毎日?色々あって楽しいわよ♪あなたのご家族の写真はないの?」
と尋ねられて慌てて見せると、よっぽど私の家族の方が地味に見えて、思わず顔を見合わせて笑ってしまうほどでした。


残念ながら、彼女たちと撮影した写真をここに掲載することは控えた方が良いと、レセプションにお誘いいただいた方からアドバイスを頂きました。
日本に行ったことや、東京で知り合いができたことをアフガニスタンで知られると、生意気な小娘とみられ、嫉妬の対象となり、最悪テロの標的となってしまう可能性があるそうです・・・。


思いがけず、彼女たちから商品をいただいたので、せめてお菓子でもお土産に届けようと思い、滞在先のホテルを尋ねましたが、セキュリティの関係でどうしても教えていただくことが出来ませんでした。

楽しいことや嬉しいことを自由にSNSにアップできる私の地味さと、不自由な世界に生きる彼女達のカラフルで美しい生活。
現実が突きつける社会の在りように何とも言えない気持ちになりました。


その悲しみを笑顔に変えて、紛争下でも美しく生きようとしている女性たちから、平和は待つものではなく作り上げるものだと教えられるような気がします。


昨秋参加させていただいたガザチャレンジでの受賞式においても、ガザに生きる女性起業家がスピーチの冒頭で以下のように、しかも笑いながら述べられていました。

「日本とは違い、平日はしょっちゅう停電するので、電気があるうちにスマホを充電しなければなりません。夜は基本真っ暗です。なのに、空襲を受けるとものすごい火の手が上がるから、昼間より明るくなるんですよ」。

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大使館内に飾られているバーミヤンの壁画

平和構築とは、未来を信じて希望を持ち、日々の生活を大切にすることなのかもしれません。
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同じく大使館内に飾られている復興の様子を描いた絵

「笑顔でいることを忘れないで。そして人を信じて愛することを」。


アフガニスタンの若い女性が最後に送ってくれたメッセージは、エーリッヒ・フロムの本を読んだあとの余韻のようなものを私に残していきました。

渡すことができなかったお土産を、いつかまたどこかでお渡しできることを。
そして、その出来事を自由に表現しても良い時が必ずくると信じて。

ヨーロッパの観光先として大人気のイタリア。
「美味しいご飯を食べて、ゆっくりできる」平和で穏やかなイメージですよね。
旅行会社の方のお話によると、最近はアグリツーリズムも充実しており、ワイナリーなどでオシャレに現地のお料理を習いながら楽しむ旅が人気なのだとか。

私自身、アグリツーリズムは未経験ですが、トスカーナ州やウンブリア州の素朴な景色を見ながら、地元の素材をふんだんにつかったお料理を食べることが好きです。

中でもスバシオ山の早春がお気に入り。
早朝、山の中腹から階下を眺めると、薄紫色のモヤがかかり、何とも言えない幻想的な風景が広がっています。

小鳥が泣き始め、太陽が昇るにつれて徐々にモヤが晴れてゆき、そして教会のくぐもった鐘の音があちらこちらから聞こえてくるようになります。
その時間帯にホテルの窓を開け、ぼーっとベットの上でその景色を見ながらまどろんでいると、
「あぁイタリアに来たんだ」
という感じになります。

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アッシジの朝の様子

このスバシオ山の斜面に広がる小さな町アッシジが、毎年半年以上もかけて準備する春の祭典、カレンディ・マッジョをご存知でしょうか。
1954年から続くこのお祭りの4日間は、町全体が上町(青組)と下町(赤組)に分かれ、中世の生活を再現しながら演劇や歌、アーチェリーやかけっこなどで競い合います。

町の中央から上は青一色、下は赤一色に染まります。
その上、町の人は中世の格好をして闊歩しているので、観光客も否応なしに町の戦いに巻き込まれることになります。
いうなれば、町全体が文化祭と体育祭を同時に開催している感じです。

町の人々は、「春の目覚め」をテーマに、お祭りを作っているのですが、「死」と「命」の物語を彷彿させ、また「戦い抜いてきた厳しい冬の時代」の終焉と、「平和な街を作っていこう」とする人々の思いや祈りをイベントの中でいくつも目にすることができます。



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麦の稲穂に揺れるアッシジの街
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祭典の間は住民が中世の服で街を歩いています
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赤組応援団。私も赤組を応援しています♪

その背景には2つの争いがあります。

一つは、中世の出来事。
教皇派と皇帝派の間で争いが絶えなかったペルージャ(ウンブリア州の州都)ですが、地理的に近しいアッシジもその戦いに巻き込まれたことで、文字どおり町が二分され、血みどろの戦いを繰り広げてきた悲劇の歴史があること。

二つ目は、第二次世界大戦の壮絶な苦しみを経験していることです。

歴史をモノクロの年表として記憶にとどめるのではなく、「二度と戦争の道は歩まない」、「町を自らの手で平和に!」と決意し続けている住民の意志が、カレンジマッジョを通じて競技しあうことに繋がっています。


また、毎年の祭典に加え、2年に1度開催されているワールドピースウォークのゴール地点にもなっているこの小さな町の取組から刺激を受けることは多いです。

イタリア全土の守護聖人であるフランチェスコの祈りが、今も息づく街ならではないかと思います。

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要塞ロッカ・マジョーレから街の中心部をのぞむ
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舞台裏で準備する若者
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お祭りは夜も続きます

町の喧騒から離れ、オリーブ畑を抜けて、フランチェスコが再建したサンダミアーノ修道院のお庭を見学させてもらっている時に、以前はイギリスで弁護士をしていたという修道士からお声がけいただいた時の言葉をご紹介します。

「小鳥の声をよく聴いて。そしてこの町の平和を肌で感じてほしい。もちろん単純にお祭りも楽しめますよ、中世にタイムスリップしながらね」。

アッシジにおける早朝のまどろみと昼間の爽やかな風、そして夜の帳は、自分自身がどう在るべきか思索するには贅沢な場所です。

イタリア語が話せなくても大丈夫。

そこに言葉がなくても、家族への愛、地元への愛、そして平和への愛を感じ、またそれをアッシザ―ニに伝えることもできる魅力的な場所です。


1192にとっての平和は、話題の絶えない人たちと、美味しいご飯を食べながら同じ時を過ごすこと。

愛のあるところにこそ、物語は生まれる。
15年くらい前から、そんな風に感じてます。
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簡素なサンダミアーノ修道院の中庭。アッシジの平和への願いの原点。
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迷った時に道を教えてくれたおばあちゃま
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アッシジの裏側。石畳の街に歩き疲れたら、ふかふかの土の道でピクニック。

8月は戦争と平和について考えさせらるとき。
あっという間に過ぎていく日々の中で、8月だけでも様々世界の平和のカタチに思いを馳せたい。
そんな風に思っています。

皆様にも包み込まれるような風が吹いてきますように。

鳩の可愛らしいピアスをいただきました。
その可愛らしさとは裏腹に、なんと「爆弾の筒から作られた物」なんだそうです!(驚)

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平和への祈りと願いを感じます


火薬を処理して、筒の部分を一枚の板状に直し、鳩型でくりぬいたものを、職人さんが1個1個丁寧に、形を整えて作られたもの。
鳩のお腹のあたりには、英語とクメール語で「平和」と彫られています。

「戦争のない平和な日がずっと続きますように」。
作り手の祈りを手のひらに感じるアクセサリーです。

読了。

箸が落ちても楽しいお年頃に、戦争を経験するということ。
”女子”の視点からみた戦争時における日常と欲求。

毎日食べることができ、大切な人がいて、仕事に励み、お洒落やお喋りを楽しんで生きていること。
芸術を愛することも、学ぶことも許されている当たり前の今の生活に、責任を果たしたいと願っています。


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