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「どのような類の労働が人間にとってこのましく、人間を高め、幸福にするものであるかということをあらゆる階級の者が正しく理解することによってでしかない。労働者の堕落によってしか得られぬような便利さとか美しさとか安価さとかを断固として放棄すること。そして健全で人を高める労働の産物と成果とをおなじく断固たる態度で要求することによってしかない」。

-ジョン・ラスキン著『ゴシックの本質』(みすず書房)より-
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一人の主婦による活動が、熊本をフェアトレードシティに
●ハタラクことへの問いかけ
フェアトレード活動を続ける中で、「自分がどう在るべきか」という問いに時々立ち止まってしまいます。そんな時は、「いかに働くか」ということと結び付けて考えていますが、答えは不明瞭でよく分からない、というのが正直なところです。

コミュニティデザインの第一人者である山崎亮氏が、「ハタラクをデザインする」というワークショップで紹介して下さった本の一冊が、ジョン・ラスキン著の『ゴシックの本質』。
熊本市で開催されたフェアトレードタウン国際会議へ向かう途中、この本を読んでいたのですが、「これは私にとってのフェアトレードだ!」と、心を揺さぶられる箇所がありました。
それが冒頭に書かせてもらった箇所です。

同時に、「自分がどう在るべきか、どう働いていくか、何を大事にしていくのか」ということへの解を得たような、そんな気分にもなったのです。
●どう働き、どう生き、どのように在るか
フェアトレードタウンの創始者であるブルース氏から話を伺っていた際に、フェアトレードを広めていく地元での活動そのものが、途上国を思い、地元の経済やアクティビティを豊かにし、そして「私たちがどう働き、どう在るべきか」、ということにも深く関わっているという話題になりました。

また同会議で知り合った猪岡さんが、「自分に与えられている限られた時間(人生)を何に使うのかということを考えるようになったことがきっかけで、つながりのあった南米と支援という形ではなく、フェアトレードでビジネスを始めました」という言葉にも、考えさせられるものがありました。

お二人との話は、まさに「ハタラクをデザインする」ことについての言及であり、会議を通じて様々なステータスの方と話し合う中で得た共感と励ましでもありました。
「時に嫌になったとしても、自分の与えられている役割を果たしていくこと。そしてそれが、自分に与えられている『人生』という時間を使っていくということ。役割に応えていく働きには喜びがある」。

上手くいかなくて、フェアトレード活動そのものに嫌気がさしてしまう時がある私にとって、フェアトレード活動における喜びとイライラをも(笑)、同じフェアトレードの理念でつながる世界中の仲間と共有し、それぞれができる形でより良い地域作りと途上国との関係をつくりながら活動できることを心から嬉しく思います。

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熊本市はアジア初、世界で1000番目のフェアトレードタウンです
●主な国際会議の内容

1.「フェアトレードタウン運動の現状とその課題」と
2.「公正な地域経済社会の構築」について。

フェアトレードタウン運動は、2000年にイギリスのガースタングという小さな町で、ブルース氏が家族3人でスタートさせたのが始まりです。現在は世界24か国、1,450を超える町が、フェアトレードタウンとして認証されています。
当初は街ぐるみでフェアトレードを応援するために、フェアトレードの認知度をあげながらその取り組みを推進していくことに主眼がおかれ、町のあちらこちらで、フェアトレードラベルのついた商品を購入できるシステムづくりを目指していました。
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活動報告をする逗子フェアトレードタウンの会
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ケニアから届いたフェアトレード商品
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フェアトレード砂糖を使用して、熊本市内の福祉作業施設で作られたクッキー

2000年から14年経った今年、これからのフェアトレードタウン運動は、街づくりや地産地消、環境保護などと連携したものでもあることが求められており、多様で包容力のある活動を目指していくことを積極的に議論しました。
先進国における一次産業が衰退、格差社会の広がりなどの課題がある中で、途上国の貧困を解決すると同時に地域経済の発展にも貢献するモデルでありたいという思いが共有されました。
とりわけ日本においては、フェアトレードタウン認証に必要な5つの国際基準に加えて、「地域活性化への貢献」という独自ルールも適用されていることが他国との大きな違いとして紹介され、ラベルの有無に関係なく、フェアトレードと同じ理念で生産、取引されているものもフェアトレード商品と呼んでいることが取りあげられました。3.11後、信頼関係を築きながら、公正なパートナーシップによる取引や支援を行っている例は、その最たるものです。

今後は、途上国内におけるフェアトレードの推進と共に、フェアトレードラベルや、WFTO以外の枠組みである第3のフェアトレードも含めた包括的なアプローチ(ビッグテントアプローチ)を、どのように展開していくのかが注目すべき課題となっています。

帰り道。
これまでの事を思い出しながら、もう綴るしかなかった出来事を仲間が受け入れてくれて、しかも励ましてくれて、歌まで記してくれちゃって。

嬉しいような、恥ずかしいような。
猛烈にワケの分からない気持ちが溢れてきて、涙があふれてあふれて止まりませんでした。

この関係性に、「ありがとう」。
そう思って電車から降りたら、お相撲さんの消しゴムを発見。
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お相撲さんは、いつも一人でたたかってるんだよなぁと思ったら、なんだかとってもすごい存在に思えてきました。
でも、今日の私は一人でたたかなわなくてもいいことを教えてもらったんだから、それはそれでけっこうすごい日。

だから今日は脱・お相撲さんの日。